どこにでも着いて行くよ
猫ちゃんの下僕の皆さまならわかるはず。
出先でも猫ちゃんと一緒に居たい…そんな気を紛らわしてくれるものがあります。
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満員電車で身動きが取れず、スマホを見ることもできない時。電車内の広告も見飽きたし、周りの人たちを見ても面白くない。前の人はちょっと臭い。後ろの人はスマホを使うのに忙しいらしく、右肩にスマホを乗せてくる。横の人は何故かやたら硬いカバンを揺れる度に脇腹にねじ込んでくる。毎朝のこととはいえ、小さなため息をついてしまう。そんな時、ふと視線を自分の腕に向けるとそこには…!
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朝からトイレに行く暇もない。タスクをこなしてもこなしても、仕事はどんどんやってくる。でも、さすがに膀胱にも限界が。質問しに来た後輩に「ごめん、ちょっとお手洗い」と断りを入れて、カバンからハンカチを出す。するとそこには…!
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同僚たちと打ち合わせ。意見が合わず、時間ばかりが過ぎていく。「時間もないし、落としどころを決めましょう」そう言う私の言葉に渋い顔をする同僚。まもなくお昼休み。あーあ、と内心思いながら腕組みをする私。すると目の前に…!
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夜遅くまで仕事をして帰宅。電車の中はアルコールの臭い。酔っぱらったサラリーマンが大声で何かを延々と話し続けている。その連れは吊り革にぶら下がってうつらうつらしている。停車した途中の駅のホームでは床で寝ている人。なんとも言えない気持ちになり、カバンからスマホを取り出すとそこには…!
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お判りでしょうか。忠実な下僕のみなさんなら同じようなことがあると思います。
いつの間にか自分の腕に付いている猫ちゃんの毛。腕だけならまだしも、良く見てみると全身に付いています。特に背中やお尻など、自分で見られない場所には大量に付いている場合があるのでお気を付けください。
そして布製品にはだいたい付いている猫ちゃんの毛。ハンカチにもよく付いています。タオル生地のハンカチだと繊維に刺さっていることもありますね。手を洗った後にそのハンカチで拭くと、手に毛が付いていることがあります。ハンカチの意味があるのかは考えないことにしています。
誰かと会話している時や、自分が動いた後、猫ちゃんの毛が目の前をふわふわと漂っていることがあります。洋服に付いていた毛が動くことで飛んでしまうことがあるようです。真面目な仕事の話をしているのに目の前をふわふわ。ちょっと和む瞬間です。
猫ちゃんの毛が付くのは布製品だけではありません。なぜかスマホの画面にも付いていることがあります。静電気なのか、なんなのか。払うけど、取れないこともしばしば。そんな時はそのままで良いのです。
下僕のみなさん以外は信じられない!と思うかもしれません。でも下僕にとっては出先でも猫ちゃんと一緒にいられる気がするのです。それがたとえ一本の毛だとしても。
だから猫ちゃんの毛がたくさん付いている人を見掛けたら、「汚いな」と思わないでいただけると幸いです。猫ちゃんと一緒にいるんだなーと思ってくださいね。