今日は暑いですね。猫様も床で広がっております。私も一緒に床で広がりたい気分です。
そんな暑い時はおうちでクラシックでも聴いてみてはいかがでしょうか。(無理矢理)
聴いたことがあるかも?
前回は「ダッタン人の踊り」をお勧めしました。
普段、クラシックを聴かない方でも「聴いたことがある!」と仰っていただいてちょっと嬉しかったです。
もしかすると今回お勧めする曲も聴いたことがあるのではないかと思っております。
今回は「ボレロ」です。
ずいぶん昔のCMですが、30秒だけなので見てみてください。
CMで使われているのはワンフレーズだけです。「ボレロ」はこのたった一つのフレーズが15~17分間繰り返されます。
同じフレーズが繰り返されるだけだなんて何が良いの?と思うかもしれません。でも実はとても面白い曲なんです。
クラシックのことが全く分からなくても、演奏自体を楽しむことが出来る曲だと思います。
ではどうぞ
オーケストラの演奏を見る方が面白さが分かると思います。ですので、こちらの映像をご覧ください。
見るのに飽きたら下にこの動画に合わせた解説を書いていますので、読みながら聴いてみてください。
「ボレロ」はフランスの作曲家モーリス・ラヴェルが1928年に作曲した、バレエ音楽です。100年も経っていないので、クラシックの中でも新しい曲です。
バレエ音楽なので、あらすじがあります。
セビリア(スペイン)の酒場で踊り子が一人で踊り始める。最初は無視していた他の客たちも、次第にノッてきて最後はみんなで一緒に踊ってしまう。
という至ってシンプルなお話です。
そういうわけで、曲の冒頭はスネアドラム(小太鼓)のリズムだけで控えめに始まります。スネアドラムは曲の最後までこのリズムを刻み続けます。15分以上も同じリズムを刻み続けるのです。私は見ていて腕がムズムズします。(私は元々パーカッションをやってましたので)
そのリズムに、最初は一本のフルートがメロディーを重ねます。その後は木管楽器が代わる代わるメロディーを奏でていきます。この間、弦楽器は弾きません。弦を弾くだけです。メロディーを吹いている楽器以外はグッと抑えて演奏しています。
5分ぐらいまでは抑えた演奏が続きます。
ちなみにオーケストラは大きく分けて4種類の楽器で構成されています。
・弦楽器:ヴァイオリン、チェロなど
・金管楽器:トランペット、トロンボーン、チューバなど
・木管楽器:フルート、クラリネット、サックスなど
・打楽器:スネアドラム(小太鼓)、ティンパニー、シンバルなど
弦楽器と打楽器は見た目でお分かりになると思います。ややこしいのが金管楽器と木管楽器です。基本的に金属で出来ていれば金管楽器です。ですがフルートやサックスは見た目が金属なのに木管楽器なのです。
フルートは元々木で出来ていましたので、木管楽器になります。サックスやクラリネットは吹く部分に木の板(リード)が挟んであり、それを振動させて音を出しています。そのため木管楽器に分類されます。
話が逸れましたが、5分あたりからようやく金管楽器が登場します。トランペットですが、先に丸い物を付けているのに気が付いたでしょうか?あれはミュートというもので、音を小さく籠らせる物です。まだまだ抑えた演奏が続きます。
ようやく8分30秒ごろから木管楽器がメロディーを奏でている裏で金管楽器が演奏に華やかさを加えてきます。
そして金管楽器のトロンボーンがメロディーを奏でる番がやって来ます。トロンボーンの音って色気があって好きです。
トロンボーンの出番が終わる10分30秒ごろから、木管楽器がみんなでメロディーを奏で始めます。ヴァイオリンもようやく弾き始めました。この頃から曲が盛り上がり始めます。スネアドラムも大きめに叩いてますね。
11分30秒ごろからようやく弦楽器の出番です。ヴァイオリンが本領発揮し始めます。指揮者さんもちょっとノッてきます。
13分ごろから金管楽器、14分ごろには低音の楽器とスネアドラムが追加でもう1台加わります。ラストへと向けてどんどん盛り上がっていきます。指揮者さんもめっちゃ嬉しそうです。
この動画の嬉しそうな指揮者さんはこの方です。なんかかわいい。
16分を過ぎた頃には全員参加です。指揮者さんも元気いっぱい。ラストまでもう少し!
16分40秒からは絶対に聞き逃さないでください!ここで金管楽器がラストに向けて唸りを上げます。これを聞くと私はもうダメです。泣きそうになります。
そしてラスト。全員が最後の力を出し切って完走です!ブラボー!!!
このように、「ボレロ」は演奏自体を楽しみやすい曲になっています。どの楽器がどんな音をしているのか、なんとなく理解できたのではないでしょうか。
少しでも面白い、楽しいと思っていただければ嬉しいです。
おまけ
「ボレロ」はバレエ音楽なので、バレエの映像もご紹介しておきます。
あらすじ通り、最初は一人で、最後は大勢で踊ります。
そして昨日、わっとさん(id:watto)に前回の「ダッタン人の踊り」の記事について言及をいただきました。
残るからクラシックが素晴らしいのか、素晴らしいクラシックだから残るのか。私はどっちも当てはまるかなと思っています。どちらにしても、クラシックは今後ますます長く生き残っていくと思います。
アレンジとはちょっと違いますが、数年前「ボレロ」と日本舞踊がコラボされました。大丈夫か?と心配しましたが、なんだかとっても合っててびっくり。
どなたかがテレビを撮影したものなので、音は良くないですが。
私は日本舞踊もやっていまして、どっちに対しても心配しました。しかし、杞憂でした。日本舞踊的な振りとバレエ的な振りがあまり違和感ありません。さらに男性の舞踊家がこんなに集まることもすごいことです。流派を超えて集められたのだと思います。
でも個人的には野村萬斎さんじゃなくても良かったんじゃ?と思っちゃいました。萬斎さんも揃いの袴だったらもっとかっこよかったのにな、なんて。
というわけで、第二弾は「ボレロ」でした。また思いついたら書こうと思います。