前回書いた、猫様の腰痛の話の続き。
鎮痛薬を飲み終わった日。
尻尾の根元は少しだけ動くようになりました。しかし尻尾の真ん中から先は動きません。だらん、と垂れたままです。触っても無反応なので麻痺しているようです。
ああ、なんてことだ…私がもっと気を付けていればもしかしたら…ごめん猫様…と絶望していました。
でも、猫好きの友人に言われたことで少し気が楽になりました。
「痛くなければ良いんだけど」
そうだった。猫様が痛くなければ良いんだ。
目が無くなっても、足が無くなっても、猫様は世界で一番かわいいんだった。尻尾が動かないぐらい、ちょっとした誤差だ。
本人もあんまり気にしていないようです。座る時、自分で思いっきり踏んだまま座ってるし。
とりあえず、また動物病院へ連れて行きました。
状況を説明するとやはり馬尾(ばび)症候群かもしれないとのこと。ただ、診断するにはMRIを撮らなくてはなりません。
しかし、MRIを撮るには全身麻酔しなければならないのです。しかも5万円かかるそうです。
お金は良いのです。無職だけど。5月からの仕事も決まってないけど。
やっぱり全身麻酔はちょっと躊躇してしまいます。
猫様は11歳。今年12歳になります。人間だったら65歳ぐらい?もうおじいちゃんです。
年齢のこともそうですが、持病の心臓病も気になります。できれば全身麻酔は回避したいところです。
獣医師と相談しましたが、鎮痛薬で改善が見られたのでステロイドを投与することになりました。ステロイドで炎症が収まればMRIも手術も必要ないそうです。
期待を込めて猫様に薬をあげました。するとなんということでしょう…!盛大に吐きました…。
ああ、しまった。猫様は一部の薬にアレルギーがあるようで、胃腸薬を先にあげないと吐いてしまうのです。
急いで病院に電話し、胃腸薬を用意してもらい、光の速さで病院まで行きました。歩いて片道40分ぐらいかかるんですけど!電車かバスでも30分!死んじゃう!しかも21時過ぎてるし!
帰宅してすぐ胃腸薬を飲ませて様子を見ると少し落ち着いた様子。
一安心!と思ってお風呂に入り、寝ようとすると猫様がまた吐いている…。結局、夜中に何度も吐いてしまいました…。
早朝にもう一度胃腸薬を飲ませるとようやく嘔吐が止まりました…。良かった…。お互いへとへとですよ…。
動物病院の営業時間になって即電話。
すると何種類か混ざっている薬の中から、抗生剤を除いてあげてくださいとのこと。合点承知の助!そうだ!猫様は抗生剤がダメだったんだ!
抗生剤だけを取り除いて、猫様に投与!お願い!もう吐かないで!
30分…1時間…吐かない!猫様が吐かない!!もう吐かないよ!!!完全勝利!!!!
というわけで、抗生剤を除き、ステロイドを5日間あげました。
すると、なんと猫様の尻尾の根元が完全に真上に上がるようになったのです!でもやっぱり真ん中から先は動きません。なので、尻尾を上げると弧を描くようになりました。
でも、気のせいかもしれないけど、見間違いかもしれないけど、尻尾の先が動いてるように見える時があるのです。
治ってほしいという期待があるからかもしれませんが。人間は見たいものしか見えませんからね。
で、ステロイドで改善が見られたので下僕は小躍りしながらまた動物病院へ。
獣医師も先は麻痺しているようだけど、なんだか動くように見えるとの見解。ほら、やっぱり!
とりあえずもう1週間ステロイドを投与して様子をみましょうとのこと。また1週間後に病院です。
ちなみに、獣医師は尻尾の先は麻痺しているので痛みはないですよ、と言っていました。そりゃそうか。
根元はステロイドのおかげで炎症が収まってきているので、強く触らない限り痛みはないと思います、とのこと。
痛くないなら良いんです…猫様がつらくなければ…。
ねえ、猫様…。
ついこの間まで痛かったのに、よく平気でそんな恰好できますね…?
猫様がつらくないといいな…。