『鬼のように』という言い回しが好きだ。
鬼のように眠い。
鬼のように忙しい。
鬼のようにかわいい。
昔、アメリカ人の友人に日本語のスラングを教えてくれと言われて教えてしまったことがある。
その友人は日本が好きで、鬼の事も知っていた。
なので、"I'm sleepy like an oni."とか言ってみたら、苦笑していた。
きっと、もう覚えていないだろう。
(ちなみに「鬼のように」は"fiendish"とか"cruel"だそうですよ)
そもそも『鬼』ってなんでしょう?
『鬼』と聞くと、日本人としては赤鬼、青鬼を思い浮かべると思う。
英語だと"ogre"とか"demon"に訳されるが、それはニュアンスが違う気がする。
『西洋の鬼』は汚い格好をして斧とか振り回して暴れてるイメージ。
いわゆる「オーガ」。
『日本の鬼』は赤と青のセットで、パンチパーマで、虎のパンツを穿いて、棍棒を持ってるイメージ。
いわゆる「赤鬼と青鬼のタンゴ」。
かわいすぎない?日本の鬼。
赤鬼は四角い顔でがっちりタイプ。
青鬼は面長で長身、やや細身のタイプ。
全然強そうじゃなくない?日本の鬼。
鬼の天下一武道会とかあったら、予選落ちじゃない?日本の鬼。
鬼の起源を調べてみると、色々出てくる。
目に見えない物への畏怖から生まれた説。
外国の美術品などからインスピレーション湧いちゃって物語作っちゃった説。
日本に流れ着いた外国人説。
いずれにしても、日本の鬼はなぜこんなにかわいくなってしまったのか。
最初は怖い物だったとしても、最終的にはかわいくなってしまう。
おそらくは、すべての物を尊重する日本人の考え方が要因ではないだろうか。
西洋では唯一神が存在し、その神を信じる。
日本では八百万の神が存在し、その神々を尊重する。
あー、日本の考え方がしっくりくる。
日本に生まれて良かったー。