猫を飼いたい人へ
先日、友人から「猫を飼い始める時に必要なものを教えてください!」と質問がありました。
LINEだったので、あんまり丁寧な返事に出来なかったのがちょっと心残りなので、ここに盛りだくさんに書いてみます。
あとでこの記事を友人に送ろう。
ちなみに私は猫の下僕歴約11年。今までお世話した猫様は2名。たまに友人の猫様のシッターをしています。
2018年には愛玩動物飼養管理士2級に合格。今年度中には東京都の動物取扱業の登録をしようと考えています。
1.最期まで絶対に面倒見るという強い心
当たり前ですが猫は生き物です。感情だってあるし、色んなことを考えています。ただのペットとは言えません。家族です。
アニコムの調査(※1)によると、猫の寿命は約14年です。約14年間もの間、一緒に暮らしていけますか?
猫も病気になることもあります。その時に治療を受けさせることが出来ますか?
年を取れば介護が必要になることもあります。その時に介護を出来ますか?
ちょっと考えてみてください。
※1:世界最大規模のペットのデータ集『アニコム 家庭どうぶつ白書2019』発刊!| ニュース | アニコムホールディングス株式会社
2.アレルギーがないか確認
猫アレルギーが無いか確認しておいた方が良いです。猫カフェや猫を飼っている友人宅で猫と触れ合ってみてください。
アレルギーの症状は人それぞれなので、体調の変化には気を付けてください。呼吸困難など、命の危険を伴う人もいます。飼い始めてからでは遅いです。事前にチェックしましょう。
私も猫を飼う前に猫カフェに2回ほど行きました。目いっぱい触れ合ってもアレルギー症状が出なかったため、猫を飼い始めました。
しかし、飼い始めて3年後、アレルギー症状が出始めました。今では家にいると目の痒み、くしゃみ、鼻水が止まらなくなるという状態です。そのため毎日アレルギーの薬を飲んでいます。
猫アレルギーの原因は唾液とフケです。猫は体中を舐めて毛繕いするので、まずアレルゲンから逃れることは不可能です。
私の場合はこまめな手洗いと猫吸い(※2)を控えることで、症状はなんとか収まっています。なんとかなる場合もありますが、真似はしない方が良いです。
※2:猫吸いとは猫の体に顔をうずめて吸うことです。幸福度が一気に高まりますが、アレルギー症状も酷くなります。
3.ペット可の物件
強い心だけでは猫は飼えません。まずはペット可の物件を用意しなくてはなりません。
都心部ではペット可の物件は少ないです。しかもペット不可の物件に比べて家賃が高いです。
しかし、チャンスはあります。
築年数が経っている物件で入居者が決まらない場合、ペット可にすることがあると不動産屋さんに聞いたことがあります。交渉次第でなんとかなるかもしれません。
私が今住んでいる部屋は元々ペット不可でした。しかし、大家さんと交渉した結果、敷金を+1ヶ月分納めることと、猫1匹までという条件の元、ペット飼育の許可を貰いました。
ペット不可の物件で飼い始めてトラブルになるという話はたまに聞きます。
猫は鳴かないのでバレない、などと考えず、キチンと手続きをしてください。猫は意外に鳴きますし、深夜に走り回ることがあります。病院に連れて行くこともあるでしょう。ご近所にはバレますよ。
4.ある程度のお金
猫を飼うにはお金が必要です。アニコムの調査(※3)によると、猫は年間約16万円かかるそうです。内訳を見てみると、フードが約5万円と一番大きく、次は保険の約3万円、その次が約2.5万円の治療費でした。
我が家の2019年の費用についてですが、フードは約6万円、保険は0円、治療費は約30万円です。治療費は主に肥大型心筋症の薬代です。その他、目の手術、歯の手術代も含まれています。
若い頃に肥大型心筋症が見つかってしまい、保険には入れなくなりました。嘘をついて入れば良かった、とも思いますが良心が…。
治療費はある日突然発生します。できれば保険は入っておいた方が良いです。保険に入らないなら貯金しておくべきです。
※3:ペットにかける年間支出調査 2019|犬猫だけでなく、エキゾチックアニマルも初調査 | ニュースリリース | ペット保険の加入は「アニコム損害保険株式会社」
5.勉強する、理解する
基本的なことは飼育本を一冊読めば十分です。本に書いてあるグッズを一通り揃えれば大丈夫。一緒に暮らしていくうちに調整していけば良いのです。
ただし、勉強するのは最初だけではありません。猫と暮らす限り常に勉強する必要があります。
猫の性格や習性を理解したり、何か困ったことがあればネットで調べたり、獣医に質問したりする必要もあります。
特にかかりつけの獣医を持つのをオススメします。年に一度はワクチンを接種しますし、健康診断をすることもあるでしょう。通いやすい場所、営業時間の動物病院を事前に探しましょう。
6.猫を探す
自分の気持ちと体、家とお金の準備、猫についての勉強が出来たらいよいよ猫を探します。
可能であれば保護猫か里親募集で見つけていただきたいです。雑種は純血種に比べて体が丈夫と言われています。
どうしても純血種がいいならブリーダーさんから直接譲ってもらうことを検討してください。
ペットショップと悪いブリーダーからは買わないで欲しいです。なぜかは後述します。私の意見ですので、全て鵜呑みにする必要はありません。自分でググってみてください。
スコティッシュフォールドは耳が折れている猫です。
うちの猫様はスコティッシュフォールドですが、耳は折れていません。バッチリ立っています。でもスコティッシュフォールドです。
どういうことかと言うと、耳が折れている子猫が産まれる確率は約50%です。でもペットショップでは耳が折れているスコティッシュフォールドばかり売られています。耳が立っている子はあまり見かけません。
耳が立っている子猫は売れません。売れないので、悪いブリーダーは処分してしまうこともあるとか。完全な人間の都合です。悲しいことです。
うちの猫様は買い手が付かず、ブリーダーさんの家で子猫の遊び相手として10ヶ月になるまで暮らしていました。そのことを知り、私が里親として引き取ることにしました。耳が立っててめっちゃかわいいです。
最近は耳の立っているスコティッシュフォールドのことを、スコティッシュストレートと言うらしいです。良いですね、スコティッシュストレート。うちの猫様はスコティッシュストレートです。かっこいい。
実は折れ耳の両親からは折れ耳の子猫がほぼ100%産まれるそうです。しかし遺伝性の病気や障害を持って生まれる子が多くなるのです。そのため、スコティッシュフォールドは折れ耳と立ち耳の両親をブリードしなくてはいけません。
同様のことがマンチカンにも言えるそうです。マンチカンは足の短い猫です。マンチカンも足の短い子猫と長い子猫が50%の確率で産まれるそうです。
このように、あり得ない組み合わせで産まれた子猫を平然と売っているブリーダーもいます。
ブリーダーさん自らがサイト等で両親の情報を公開していたり、立ち耳のスコティッシュフォールドを売っているようなら、信用できるかもしれません。でも本当のことは分からないです。
こういった理由からできれば保護猫を引き取って欲しいのです。個人的な希望なので強制はしません。でも選択肢の一つにして貰えると嬉しいです。
保護猫は住んでいる地域で探すのがオススメです。譲渡会のようなイベントだったり、動物病院で里親募集をしていることも多いです。特に動物病院が関わっていると医療的なフォローも期待できるので安心だと思います。
ただ保護団体にもおかしな人たちがいるので要注意です。おかしいな、と思ったら引くことも必要です。
7.いざという時や、やむを得ず手放さざるを得ない時は
最期まで面倒を見るのが飼い主としての責任です。しかし、人間はいつ死ぬか分かりません。
一緒に住む家族がいれば良いですが、一人暮らしの場合は準備しておくと良いです。万が一、自分に何かあった時に預けられそうな家族や友人に声を掛けておくと安心です。
準備をしておけば、突然の事故や倒れた時なども猫のことを心配する必要がなくなります。
もし自分の都合でどうしても飼い続けることが出来ないのなら、責任を持って次の飼い主を見つけてください。
8.楽しいよ
色々と書きましたが、猫との暮らしは楽しいです。
最初は戸惑うこともあるでしょう。猫は人間の思い通りにはなりません。猫が何か困ったことをした時、原因は全て人間にあります。
猫を変えるより、自分を変える方がはるかに簡単です。
このことが分かると猫との暮らしはサイコーに楽しくなります。そして立派な下僕が出来上がります。
さあ、みなさんも下僕仲間になりませんか?