一つのことに集中する
注意力散漫な生涯を送ってきました。
一つのことに集中するのが苦手で、複数のことを同時に進める方が得意です。いわゆるマルチタスクというやつですが、これって一つ一つの完成度が落ちると言われていますよね。本当だと思います。
完成度を上げるには、それだけに集中した方が確実です。分かっているのですが、途中で別のことが気になるとそちらに気を取られます。別のことが気になって、元々していたことに集中できなくなるのです。
さすがにもう良い大人なので、あっちゃこっちゃに手を付けて全部未完成、という事態にはしません。優先順位を決めて次々こなしていくことで、ちゃんと完成させます。ですが、完成度が最高に高いかと言うと、自信はありません。
一つのことに集中して取り組んでいる人のことを尊敬しています。大工さんとか、職人さんとか。完成度を極めるのってかっこいい。自分に出来ないことなので。
こんな注意力散漫な私でも、昔は徹夜でゲームを作ったりして遊んでいたことがありました。プログラムを色々弄ってるうちに夜が明けてました。
もしかしたら本当に好きなことなら集中できるのかもしれません。それとも、年齢のせいでしょうか。くっそ。
いや、恐らく他にすべきことが無いから一つのことに集中できたのです。徹夜でプログラミングをしていた当時は専門学校生で、プログラミングの勉強をしていました。プログラムを書くことが大好きで、何かを作っては、次は何を作ろうか?と考えていました。
家事も最低限で十分でした。掃除も洗濯も週に1度すれば良い方でした。お金もなかったので、食事は食パン一袋で一週間を過ごしていました。そんな状態だったので、時間を忘れて、他の何よりも優先して、集中することができたのです。
これは、集中というよりは熱中でしょうか。
年を取るにつれ、熱中する、ということが少なくなってきました。体力の問題なのか、普段のタスクが多すぎるのか、心が動くハードルが上がってしまったのか。
しかし、年々、涙腺は弱くなってきてます。動物関係はダメです。亡くなったお父さんがかわいがっていた猫ちゃんがお父さんの椅子から離れないとか、入院中のおばあちゃんにワンコが会いに行って大喜びとか、子供が小さい時に拾った子猫が子供と一緒に育って老いて亡くなる話とか。無理です。号泣です。ということは、大丈夫。心は動いています。
恐らくは本当に熱中できるものが無いのです。
したいことがあるけど、掃除しないと快適に生活できないと思ったら掃除をする、洗濯しないとタオルが無くなるから洗濯をする、そうやって日々のタスクにエネルギーを取られるのです。その程度でできないのであれば、「したいこと」というのは本当にしたいことではないのかもしれません。
今、本当に「したいこと」を考えてみると、猫様と昼寝がしたいです。ただ、最近なぜか寝ていると私の鼻の穴に猫様が自分の鼻を突っこむ、という遊びが流行っているようです。そんなことに熱中するのは勘弁していただきたいです